今回は中小企業診断士への道の第7弾として、 戦略策定プロセスについてまとめてみたいと思います。

戦略策定プロセス

1. 戦略策定プロセス

経営戦略を策定するにあたって経営理念やビジョンを実現するため、選択すべき活動の範囲を定めた上で、
マクロ的な環境動向である外部環境と自社の経営資源に基づく強み・弱みなどの内部環境を分析し、複数の戦略代替案(経営戦略の方向)を立案し、とるべき戦略を決定します。

2. 外部環境分析と内部環境分析

経営戦略を策定するためには、企業を取り巻く環境を正しく認識することが重要です。
企業を取り巻く環境には、企業の外部環境だけではなく、企業の内部環境すなわち企業自身も含まれます。

外部環境分析

人口統計・政治・経済・環境・消費者市場・業界・同業他社などの外部環境を分析することによって、自社に有利に展開して自社の事業機会を広げるチャンスとなるものや、競争の激化が予想され、自社にとって脅威となるものを見極めなければなりません。

戦略を作成するにあたっては、次の事項について分析します。

1.消費者、購入者等の市場動向(ライフスタイル、人口動態など)
2.業界動向(技術、新商品、市場規模、成長性など)
3.競争状況(同業他社、参入障壁、異業種競合など)
4.社会・経済情勢(景気、マクロ経済、イデオロギー、政治情勢など)
5.法的・社会的・経済的規制の有無(許認可、行政指導、規制緩和など)

分析の際には、自社の事業に関係のある主要な要因や環境変化を上記項目の中から絞り込むことがポイントです。

内部環境分析

内部環境分析とは、競合と自社を比較し、企業内部にあるヒト、モノ、金、情報など経営資源の強みと弱みを分析することを言います。

3C分析

3C分析とは、市場分析(Customer)、自社分析(Company)、競合分析(Competitor)の3つを指します。なお、内部環境分析と外部環境分析の対応関係は以下の通りです。

・自社分析 - 内部環境分析
・市場分析、競合分析  - 外部環境分析

3. SWOT分析

SWOT分析とは、外部環境の機会や脅威を発見し、内部環境の強みと弱みを評価し、方向性を導き出すことを言います。

SWOT分析を行い、これら4つの要素を組み合わせることで、強みを使って脅威からの影響を軽減したり、機会をものにするため弱みを補強するなど、自社にとっての事業機会を導きやすくなります。

例)ラーメン屋の場合

▼機会
・消費者の外食に対する支出が低価格化している
・近隣にあった人気ラーメン店が閉店した
・近くにコンビニができて人通りが増えた
・酒気帯び運転の規制が強まり、自動車通勤者が居酒屋によらなくなり、会社の帰りに来店するようになった

▼脅威
・近くの会社が倒産となり、会社帰りのサラリーマンの数が減った
・節約志向で、コンビニで弁当を買う人が増えた
・弁当男子が増えている(昼食に外食をしない人が増えた)
・駐車違反の取り締まりが厳しくなり、遠方からのお客様が減った

▼強み
・独自の製麺機を持っており、独特の面を低コストで作ることができる
・毎日手作りする焼き豚に凝っており、支持してくれるお客様が多い
・生産農家との関係が深く、新鮮な野菜を低価格で入手することができる
・長時間かけて煮込むスープの味は絶品で、飲み干すお客様が多い

▼弱み
・ラーメン一杯の価格は900円で価格競争力が弱い
・アルバイトが定着しないため、接客が安定しない
・信用金庫から求められる書類を出し忘れることが多く、融資を受けられないことがある
・忙しく、他店の情報収取が出来ていない

クロスSWOT分析

さらにアクションレベルにまで落とし込んだものがクロスSWOT分析です。

クロスSWOT分析では、外部環境(機会・脅威)と内部環境(強み・弱み)を交差させ、4象限のマトリックスを作り、その中から戦略を検討します。

4. 戦略代替案の策定

外部環境分析と内部環境分析を実施した後、現状の認識と自社が目指す方向性のギャップを埋めるために、分析に基づいた戦略代替案が作成されます。
そしてその時点で最良の戦略を選択することになります。

戦略の評価

選択した戦略を実行した場合でも、外部環境の変化や自社の経営資源の変化など、当初の想定通りにはいかず、評価を行った上で戦略の転換を余儀なくされる場合もあります。

通常戦略を具体化する場合は、期間別の経営計画(中長期・短期)を立てて実行することが多く、それらの修正も必要となります。

あらかじめ不測の事態を想定したコンテンジェンシー・プランを策定しておく場合もありますが、費用面など様々な面から困難も予想されます。また、環境変化が激しい場合は、毎年のように計画を見直していくローリング・プランを策定する場合もあります。

このように、企業は常に自社の戦略と現状認識とのギャップを注視し、組織内での共有化を図っていく必要があります。