今回は中小企業診断士への道の第6弾として、 経営戦略の策定についてまとめてみたいと思います。

経営戦略の策定

経営戦略の定義と意義

経営戦略は、企業が目指すあるべき姿(目的や目標)を達成するため、企業行動への方向性や指針を与えるものです。
また経営戦略とは、変動する経営環境に対して、企業を革新的に適用させる機能を持つものと言い換えることもできます。

企業がゴーイングコンサーン(継続企業体)として持続して発展していくためには、環境変化に適応する努力が不可欠で、
その努力なくしては競争力が弱まってしまい、やがて衰退し淘汰される危険さえあります。

激動する外部環境において、企業が長期的・継続的に発展していくには、効果的な経営戦略が絶対に必要です。

経営戦略の概念

経営戦略の概念には様々なものがあります。

戦略の5つの類型(ミンツバーグの戦略の5P)

ミンツバーグ *1 は、経営戦略の概念を次の5つの類型に整理しています。

*1 ミンツバーグは純粋な理論家とは一線を画す異色の経営学者で、
彼の名を一躍有名にした『マネジャーの仕事』は実際のマネージャーの活動に随行することで得られた資料を分析したもので、そこにはすでにミンツバーグの研究方法の独創性が示されている。

彼は経営においても実践を重視し、芸術的要素・右脳的要素を重要視する。

彼はマイケル・ポーターに代表される純理論的な経営理論を批判し、よきマネージャーは教室では育成されないと主張。独自のマネージャー育成の教育プログラムを立ち上げると共に、経済以外の分野にたいしても積極的な言論活動を続けている。

計画(Plan)としての戦略【WHAT(経営戦略とは何か?)】

「計画(Plan)」としての経営戦略の概念は、目標を達成するための行為のコースや、状況に対処するための行動指針を意味しています。
→ これからの行動指針(未来予測に基づく行動の計画)

パターン(Pattern)としての戦略【WHAT(経営戦略とは何か?)】

前もって意図するか否かに関わりなく意思決定や行為の流れに見られる整合性に注目します。
→ 過去の行動の事実。過去の行動の分析に基づく体系

策略(Ploy)としての戦略【HOW(経営戦略は何をするのか?)】

特定の競争状況において競合者を出し抜くための具体的な計略を指します。
→ 外部環境からも内部要因からも導き出されない行動(非市場要因の活用や、競合の裏をかくための取り組み)

位置(Position)としての戦略【HOW(経営戦略は何をするのか?)】

環境における位置を規定する方法を意味しています。
→ 外部環境の観測から、自社の位置づけを定めること(自社を市場で独自性と価値のあるポジションに配置)

視野(Perspective)としての戦略【HOW(経営戦略は何をするのか?)】

→ 「世界観」とか「ビジョン」「コンセプト」あるいは軍事用語における「グランドデザイン」に相当する経営戦略の概念です。(組織や戦略家のビジョン実現を目指す取り組み)

経営戦略の構成要素

経営戦略はドメインの定義、資源展開、競争優位性、シナジーの4つの構成要素からなるとされています。

ドメインの定義

企業(事業)の領域を決定することです。ドメインを定義することによって向かうべき方向が示され、自らが競争相手と戦う土俵を定めることができます。

資源展開

自社が長期的・継続的に発展していくために、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をどのようにして蓄積し、配分していくかということです。
なお、資源展開によって、コア・コンピタンス(中核的能力)を形成し、持続的競争優位性を保とうとする考え方を、リソース・ベースド・ビューといいます。

競争優位性

ドメインの決定と資源展開を通じて、競争者に対して築く独自性のことを言います。

シナジー

ドメインの決定や資源展開を通じて求める相乗効果のことです。
新事業を行うとき、既存の生産設備、販売経路、技術などを利用することによって得られる相乗効果のことを言います。

階層別経営戦略

企業内では企業全体、事業部全体、特定の製品についてなど様々なレベルで戦略が策定されています。
企業経営の中で経営戦略は一つではありません。階層別経営戦略とは、こうした企業内で階層をなして策定されている戦略を指したもので、その対象とする範囲により分類することが出来ます。

全社戦略(企業戦略)

全社戦略とは配下にある事業部を含み、企業全体に関わる戦略のことを言います。
全社戦略では自社の経営理念に基づきビジョンを設定し、そのビジョンを実現するための筋道/手段として戦略を決定します。

▼全社戦略にとって主要な構成要素

・ドメインの決定や再定義
・市場の選定や製品・サービスの決定
・資源展開

事業戦略(競争戦略)

事業戦略とは、全社戦略の下で展開される各事業部ごとの戦略であり、全社戦略の方向性に沿って策定されるものです。
事業戦略は多くの場合、特定の事業分野において競争企業との間に競争優位を確保することが目的となっているため、競争戦略と位置付けることが出来ます。

▼事業戦略にとって主要な構成要素

・資源展開
・競争優位性

機能別戦略

機能別戦略とは事業戦略を効率的に遂行するために部門別(製品開発、生産、マーケティング、営業等)ごとに策定される戦略のことで。すべての事業に関係する構造となっています。

▼機能別戦略にとって主要な構成要素

・シナジー
・資源展開