今回は中小企業診断士への道の第5弾として、 経営管理と目標管理技法についてまとめてみたいと思います。

経営管理

経営管理の原則

ファヨール *1は経営管理の原則として「14の管理原則」を提唱しました。

ファヨールの14の管理原則

・分業(専門化)
・権限と責任の一致
・規律
・命令の一元性
・指揮の一元性
・個人利益の全体利益への従属
・従業員の報酬
・権限の集中
・階層組織
・秩序
・公正
・従業員の安定
・創意の気風
・従業員の団結

*1 フランスの鉱山学者で経営学者でもあったアンリ・ファヨール(1841-1925)は、管理職能を遂行するために自らの経験を踏まえよく用いた管理の一般原則として、14の原則を提示

機能別組織と関連性が高いのは、分業(専門化)、命令の一元性、指揮の一元性、権限の集中、階層組織の諸原則

分業(専門化)の原則

分業(専門化)の原則とは、経営目的達成に必要な職務を分割し、担当者が単一の活動に従事できるように配分しなければならない、という原則です。
専門的知識と熟練を容易に習得でき、経営能率を高めることが可能となります。
なお、分業とは、研究開発・製造・営業・財務などの大枠の仕事の割り振りだけでなく、現場作業レベルにおける仕事の割り振りのことも指します。

命令の一元性の原則

命令の一元性の原則とは、担当者は1人の責任者からの命令のみを受け取らなければならない、という原則のことです。
仮に遵守されなかった場合、命令を受ける部下の方で混乱が生じたり、命令を発する上司の方で権力闘争が生じる恐れがあります。

指揮の一元性の原則

指揮の一元性の原則は、命令の一元性の原則と明確に区別されます。
指揮の一元性とは「同一目標をもつ活動の指揮者と計画は一つだけである」という原則を言います。
つまり、1つの事業を実行しようとする時、責任者は一人でなければならず、双頭の状況は避けなければいけません。

権限の集中に関する原則

指揮者に権限が集中し過ぎると、組織の規模が拡大するにつれ、指揮者の負担が大きくなり、組織が機能不全に陥ってしまいます。
その為、ある程度権限を下位者に委譲していかなければなりません。ただそこで問題になるのが、「どの権限を委譲するのか?」「どの権限は委譲してはならないのか?」といった臨界点を明確にする作業です。
このように、役職に応じてどの程度権限を委譲するか定めることを、権限の集中に関する原則と言います。

階層組織の原則

命令の統一を図るため、トップから下まで情報伝達の経路を設けなければなりません。
組織は縦割りに階層化され、階層ごとに権限が付与される階層組織において、ファヨールは情報伝達の効率性を高めるには、横のつながりも重要であると主張しています。
この横の連絡をファヨールは階層組織における「架け橋」と呼び、階層組織の原則と強調しています。

ファヨールの14の管理原則は、経験主義的色彩が強く見らえれる

ファヨールの14の管理原則には、経験主義的色彩が強くみられますが、彼の後継者となる管理過程論者たちは、ファヨールの管理原則は普遍妥当性のあるものとしました。
ただしこの点については、近代組織論のサイモン *2 は「管理原則は表面的なものであり、単純すぎるし、非現実的ですらある(矛盾した経験則の寄せ集め)」と厳しく批判しています。

*2 ハーバート・アレクサンダー・サイモンはアメリカの政治学者・認知心理学者・経営学者・情報科学者で、大組織の経営行動と意思決定に関する生涯にわたる研究で1978年にノーベル経済学賞を受賞している

ファヨールの管理論

ファヨールは、企業を有機的な組織体ととらえ、どんな企業でも不可欠な活動として次の6つの職能に分類しました。

・技術活動(生産、製造、加工)
・商業活動(購買、販売、交換)
・財務活動(資本の調達と管理)
・保全活動(財産と従業員の保護)
・会計活動(財産目録、貸借対照表、原価、統制、等)
・管理活動(計画化、組織、命令、調整、統制)

またファヨールは「管理」と「経営」を明確に区別し、「管理」は不可欠な活動の一つであり、「経営」はこの6つの活動の遂行を確保し、できるだけ多くの利益を確保するように企業を導くことであるとしています。

また管理活動については、上位階層の任務の中でも大きな位置を占め、諸要素として5つ挙げられます。

・計画化:将来のことを考えて、活動計画を作成する。
・組織:企業における物的・社会的にな二重の構造を構成する。
・命令:従業員を機能させる。
・調整:活動と努力を統一させ、調和させる。
・統制:規準や命令に従って行われるように監視する。

目標管理の技法

策定した経営計画を実行に移す際には、様々な目標管理の技法を駆使する必要があります。

シックス・シグマ

シックス・シグマとは、1990年代後半米国モトローラ社が自社製品の品質レベルと日本企業の品質の高さの差の原因を追究する中から、体系化された手法で、
統計的管理幅を±6シグマに定め、不良品の発生率を100万個につき3.4個未満に抑えようとする品質管理手法のことを言います。
またシックスシグマの特徴を一言でいうと、顧客価値満足に根差した本質的課題解決手法であり、個々の業務課題を「論理的」、「定量的」にステップを踏んで解決につなげていくことです。

TQM

TQM(Total Quality Management)は、総合的品質管理と定義され、単なる製品の品質管理活動(QC)ではなく、経営の質やサービス業務の質などの品質の向上を目指すなど、企業経営全体に関する品質マネジメントのことを言います。(製品の品質を管理するためには、製造部門だけに任せていては効果が限定されるので、営業・設計・技術・製造・資材・財務・人事など全部門にわたり、さらに経営者を始め管理職や担当者までの全員が、密接な連携のもとに品質管理を効果的に実施していく活動のこと)

また、日本がジャパン・アズ・ナンバーワンと称されるきっかけとなったのも、TQC活動によるところが大きいです。

クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)

クロス・ファンクショナル・チームとは、全社的な経営課題を解決するために、既存の組織の枠にとらわれず、必要な人材を集めて構成されるプロジェクト・チームやタスクフォースのことを言います。
クロス・ファンクショナル・チームは、従来の縦割り組織で硬直した組織の経営改革、業務改革を実行するのに非常に効果があります。

日産のカルロス・ゴーン社長のマネジメント手法を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。(部門間協働)