今回は中小企業診断士への道の第12弾として、
企業間連携についてまとめてみたいと思います。

業務提携

業務提携とは資本の移動を伴わない提携で、企業が共同で事業を行うことです。

お互いが資金・技術・人材等の経営資源を提供しあって、相乗効果(シナジー)を得ることによって、事業競争力の強化を目指します。

戦略的提携

提携(アライアンス)とは、2つ以上の企業が新たな事業機会を開発するためにお互いの資源を共有する組織間の関係を指します。

共利共生というスタンスをとりつつ、それぞれの企業は特定分野で自律的立場を保ち、対等な関係で利益を得るという協働関係を構築することが最大の目的です。

最近では、競合企業同士が、経営戦略の根幹に関わる部分で協力する戦略的提携が増加しています。

他社と連携を考慮する企業にとって、企業としての独立性を維持し、企業間に緩やかで柔軟な結びつきをつくるには、戦略的提携が有効な戦略オプションの一つです。

戦略的提携のメリット

・ノウハウや技術、スキルの共有
・共同研究、開発による開発費や固定費の負担減
・流通経路、販売網の共有
・デファクト・スタンダード(業界標準)の獲得に有利

アウトソーシング

アウトソーシングは、仕事を担う人やサービスを、契約によって外部から調達し、企業活動に生かす経営手法です。

外部の専門的知識や能力を活用することで、自社のコア事業に経営資源を集中し、効率的な経営を行えます。

アウトソーシングのメリット

・自社の中心業務に集中できる
・ルーティン業務の品質が向上する
・外部の専門的ノウハウの活用ができる
・コスト削減になる

アウトソーシングのデメリット

・ノウハウの蓄積が困難
・柔軟な対応が困難
・受託企業との調整コストが発生

企業結合(M&A)

企業結合(M&A)とは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略で、企業の合併買収のことです。

2つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)です。

買収の方法としては、TOB(株式公開買付)や株式交換制度、LBO(レバレッジド・バイ・アウト)などがあります。

TOB(株式公開買付)

不特定かつ多数の者に対し、公告により株券等の買付等の勧誘を行い、取引所有価証券市場外で株券等の買付等を行うことです。

・◯◯の株価で、
・◯◯株数の取得を目標に、
・◯◯日までに買付ます。

と宣言します。

市場で取引される株価より、プレミアム価格を数割上乗せした株価で発表します。
→市場よりも高い株価でTOBをすることにより、対象株の保有者は市場で売らずにTOBで宣言した相手に売ったほうがお得になります。

株式交換制度

ある会社(完全子会社となる会社)の株主が保有する全ての株式を、他の会社(完全親会社となる株式)の株式と交換する方法です。

これにより完全(100%)親子会社関係が実現します。親会社となる会社から見た場合、会社の買収を現金の代わりに自社株を発行して行うことができます。

LBO(レバレッジド・バイ・アウト)

レバレッジド・バイ・アウトは、M&A(企業の合併・買収)の手法の一つで、買収先企業の資産または将来のキャッシュフローを担保に、金融機関等から資金調達をして行う企業買収のことをいいます。

自己資金が少なくても、大きな資本の企業を買収できることから「テコの原理(leverage)」が働くことになり、また買収の実施後は、調達した資金が買収された企業の負債となります。

敵対的M&A

買収者が買収対象会社の同意を得ないで無理やり買収を仕掛けることを言います。(乗っ取りとも言われます)

この場合、買収者はTOB(株式公開買付)によって買収を仕掛けることが多いですが、市場内での取得のみで議決権の過半数を取得するケースも見られます。

友好的M&A

買収者と買収対象会社が対等な立場で条件交渉を行い、互いの同意の下に進められる買収を言います。第三者割当増資などがこれに当てはまります。

第三者割当増資

株主であるか否かは問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えて行う増資のことを言います。

コングロマリット(複合企業体)

異業種の会社まで合併などで吸収し、多種類の事業を営む大企業、または副業企業のこと。

技術も市場も異なるような、いわゆる畑違いな事業に参画するために行われる、非関連多角化の企業統合形態を指し、主に企業買収によって、自社にはない事業やノウハウを手っ取り早く取得できるという利点から増加しています。

M&Aのメリット・デメリット

M&Aのメリットとデメリットを詳しくご紹介いたします。

M&Aメリット

・短時間で新規事業を立ち上げることができる
・相互の未利用経営資源(組織スラック)を効率的に活用できる
・相互の事業を組み合わせることで「範囲の経済性」の効果が得られる
・規模が拡大することで、「規模の経済性」の効果が得られる
・複数の事業を行うことで、リスク分散が図れる

範囲の経済性

範囲の経済性とは、経営資源を他事業と共有化することで、その事業単独でやったのでは実現できないコストメリットを得ることを指します。
※シナジー(相乗効果)と意味合いはかなり近いです。

事業が異なっていても、費用を共有できる場合、単独で一方の事業のみを行う企業よりもコスト優位に立てることがあります。

規模の経済性

規模の経済性とは事業規模が大きくなればなるほど、単位当たりのコストが小さくなり、競争上有利になるという効果のことを指します。

コストリーダーシップ戦略をとるリーダー企業にとっては特に重要なコスト低減の方法です。

規模の経済性は、狭義には、固定費が分散されて、単位当たりのコストが下がるというメカニズムを指し、バリューチェーン上で言えば、研究開発費や広告費に規模の経済性が働きやすいと言えます。

M&Aのデメリット

・企業文化や価値観を融合することが難しいため、シナジーの罠に陥る場合があります。

シナジーの罠

シナジー効果を得るため合併・買収したが、かえって企業価値が減少してしまうことを指す言葉です。

M&Aの留意点

・買収される企業が情報を制限してきた場合、その限られた情報に基づいて意思決定しなければならない
・買収後の潜在価値やシナジーも含めて、投資対効果を測定する
・重要経営資源(ノウハウや人材など)が流出する可能性がある