今回は中小企業診断士への道の第14弾として、
事業ポートフォリオについてまとめてみたいと思います。

事業ライフサイクル

事業ライフサイクル
参照:http://plus-work.jp/kadai/seityo.html
事業ライフサイクルとは、事業が誕生してから衰退・撤退するまでの事業の生命周期を表した概念です。

ライフサイクルは4段階

参照:https://globis.jp/article/1939
・導入期:事業の認知度が低い
・成長期:事業が認知され、市場に浸透
・成熟期:市場への浸透が一段落し、需要が一巡
・衰退期:需要が減少

PPM(Products Portfolio Management)マトリックス

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント)はボストン・コンサルティング・グループが考案した事業ポートフォリオを検討するためのフレームワークです。

PPMは企業が複数の事業を行う場合に、経営資源の中でも特に現金(キャッシュフロー)に焦点を当てて、バランスの取れた収益の獲得と企業全体の成長を狙う戦略策定手法です。

2×2のマトリックスで事業全体を俯瞰する

・縦軸に市場成長率
・横軸に相対マーケットシェア

PPMの事業区分

PPMマトリックス
参照:http://knowledge-makers.com/ppm/
・花形事業(高成長率・高シェア)→金のなる木に育てることが目標
・金のなる木(低成長率・高シェア)→企業の財務安定性の要であり、ここで回収したキャッシュで他の事業を育てる
・問題児(高成長率・低シェア)→花形事業に育てることが目標
・負け犬(低成長率・低シェア)→事業撤退や売却が必要になるお荷物事業

花形事業

事業ライフサイクルの成長期に相当し、市場成長率も相対的マーケットシェアも高い状態です。

成長期のため、売上が急激に拡大し、資金流入が多くなりますが、競合が多数参入してくるため、広告宣伝費などの資金の流出も多く、キャッシュフローの源にはなりません。

成熟期になって、市場成長率が低くなると「金のなる木」にシフトするため、相対的マーケットシェアの維持・拡大が課題です。

金のなる木

事業ライフサイクルの成熟期に相当し、市場成長率は低く、相対的マーケットシェアは高い状態です。

資金流入が多く、資金流出が少ないため、キャッシュフローの源になります。
しかし市場成長率は落ちているため、相対的マーケットシェアを維持し、獲得したキャッシュフローを「花形」や「問題児」に投資することで、将来の柱になる事業を育成することが課題になります。

問題児

事業ライフサイクルの成長期初期に相当し、市場成長率は高く相対的マーケットシェアは低い状態です。

競合が増加し、打ち勝つためには多額の資金が必要になり、キャッシュフローはマイナスになります。

相対的マーケットシェアを高めることが出来れば「花形事業」になる可能性があります。それができなければ撤退しなければいけません。(負け犬事業)

負け犬

事業ライフサイクルの衰退期に相当し、市場成長率も相対的マーケットシェアも低い状態です。

長期的成長が見込めず、投資は避けるべいで、早期の撤退を検討する必要があります。

PPMの問題点

・市場成長率と相対的マーケットシェアの定義が不明確
・負け犬とされた事業の従業員のモラール上の課題
・経営資源の蓄積やシナジーが軽視されている
・現状分析はできるが、将来の新分野への展開の方向性を示さない
・経験曲線効果のコストリーダーシップのみを競争手段としている
・新製品開発により市長成長率が伸びることがあるのに、成熟市場の蘇生が念頭にない
・キャッシュフロー以外の指標(技術イノベーションなど)が軽視されている
・財務戦略的な色彩が強い

戦略的事業単位(SBU)

SBUとは、ストラテジックビジネスユニットの事で事業戦略を独立して行っていくような事業単位のことを言います。英語ではStrategic Business Unitと表記され、文字通り戦略を実施するビジネスユニットといった感じとなります。

→既存の事業部の枠にとらわれない、全社的かつ戦略的な投資計画の基礎となる組織単位

SBUの条件

・他の事業と明確に識別されるミッション(使命)をもつこと。
・その事業単位について、明らかに市場と競合が存在していること。
・一定の資源を裁量下において、独自性をもった戦略が策定できること。
・責任ある管理者が存在すること。
・売上高や利益を把握できるような利益責任体制(プロフィット・センター)として機能していること(一定の経営資源の管理ができる)

例えば、ある事業の原材料の調達を子会社が、販売を孫会社が担っているような事業では、ある事業を行っている親会社の部署と、調達の子会社、販売の孫会社をひとまとめにしてSBUとするような事も行われます。

そして、各SBUは戦略を遂行するための単位ですから、それぞれに必要な権限とリソースが与えられます。

※逆に言うと、それ相応の責任も課されます。

SBUとPPM

GE(ゼネラル・エレクトリック)社は、1950年代~1960年代後半に、事業部の数を31から4へと増大させましたが、売上は増大しても利益率が減少するという「利益なき成長」に陥りました。

その理由としては、あまりにも各事業の分権化を進めたため、企業全体の戦略的視野からの統制が行われていなかったことが挙げられます。

こうした状況の中で、多様な事業への資源配分を可能とする意思決定ツールと既存の事業構造を超えて戦略的な事業展開ができる組織として「PPMに基づくSBU」が編成されました。

ビジネススクリーン

参照:http://keiei-manabu.com/strategy/product-portfoliomanagement.html
GE(ゼネラル・エレクトリック社)のビジネススクリーンとは、GEとマッキンゼーが開発した3×3のマトリックスを使って、企業のポートフォリオを評価するためのフレームワークです。

ポートフォリオのフレームワークではPPMがよく知られていますが、ビジネススクリーンはその発展形と言えるものです。

PPMでは2軸を「市場成長率」と「相対マーケットシェア」で設定して分類したのに対して、GEのビジネススクリーンでは、単に分類するのではなく、さまざまな要素を重み付けしながら複合的に勘案した「業界魅力度」と「競争ポジション(事業の強度)」を軸にとっています。

※評価指標に従って「高」「中」「低」の3つのレベルで各事業を評価します。

業界の魅力度の測り方

・市場成長率
・市場規模
・産業の収益性
・マクロ環境の影響(政治、経済、社会、技術)
・参入障壁と撤退障壁
・必要な技術レベル
・資本の大きさ

競争ポジション(事業の強度)の測り方

・市場占有率(マーケットシェア)
・価格、技術、製造、流通における競争上の地位